「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの" 3万世帯の家計診断をしたFP断言

 「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"

3万世帯の家計診断をしたFP断言


3万世帯を超える家計診断を手掛けてきたファイナンシャルプランナーの藤川太さんは、1億円貯められる家にはある共通点があることに気づいたそうです。それは、玄関を見るだけでわかるといいます――。

玄関先に置かれたプランター

1億円貯まる人には家計管理がしっかりできている人が多いのですが、それは家を見ただけでも、ある程度わかります。家計診断でご自宅を訪問する機会がありますが、家計管理ができてお金を貯めている家庭は、家の中がとてもキレイです。


必要最小限のモノで暮らすミニマリストほどではありませんが、モノが少なくてきれいに片付いています。おそらく、本当に必要なものしか置いていないのでしょう。


一方、お金が貯まらない家庭は、例えば靴箱の上にごちゃごちゃと小物が置かれています。玄関先も同じです。プランターなどが無造作に置かれていたりします。玄関先を飾りたい気持ちはわかりますが、大抵は長続きしません。世話がされないままの植物が放置されていることが多いのです。貧乏神が住む家ということですね。そうした家庭を訪問して、いざ家計簿をチェックすると「貯まらないはずだ」と合点がいくことが少なくありません。


1億円貯められるようなご家庭は、家の中同様、玄関先もすっきり整理され、プランターを見かけることはほぼありません。


お金が貯まる人の冷蔵庫はすっきり、冷凍庫はぎっしり

冷蔵庫も同じです。家計管理ができている家庭の冷蔵庫の中はすっきり整頓されています。全体の容積の半分程度しか入っておらず、奥まで見通せることが多いものです。廃棄する食材を多く出さないためには、無駄な食材を買わないことと、冷蔵庫に詰め込まないことが重要です。スッキリした冷蔵庫は省エネにもつながります。


逆に冷凍庫はぎっしりと詰まっています。特売の食材や業務用スーパーで買った食材を、切り分けてパックして冷凍庫に保存します。その習慣がしっかりできています。冷凍庫の場合は、隙間なく詰まっていたほうが、省エネにつながりますので一挙両得というわけです。この傾向には地域による差はありません。北海道から沖縄まで、日本全国に共通しています。

家計管理の秘訣は「捨てる技術」にあり

家の中がきちんと片付いている家庭は、時間はかかりますが資産1億円を達成できる可能性が十分にあります。


家の中がすっきり片付いているのは、そもそも無駄なものをつい買ってしまうことがないからでしょう。必要なものを吟味して買っているので、衝動買いもありません。


対照的にUFOキャッチャーで獲得したぬいぐるみがあふれている家も見かけますが、それを得るためにお金をいくら使ったかを考えると恐ろしくなります。


家の中にモノが少なければ、掃除がしやすくなり、常にきれいな状態を保つことができます。そのためには、捨てることも重要です。玄関にプランターを置きっぱなしにしたり、部屋の中にモノがあふれている人は、「捨てられない人」でもあります。


家計管理の秘訣を一言でいえば、“捨てる技術”です。欲しいものはたくさんあります。マイホーム、車、子どもの教育……。すべてを満たすには莫大なお金がかかります。何を選んで、何を捨てるかが大事です。

お金を貯めている人と話をすると、「わが家は子どもの教育にお金をかけています」など、お金を何に使うか、使い道がとても明確です。

ポイントカードがさっと出せない残念な財布

家計管理の状況は財布を見てもわかります。家計相談が終わり相談料をいただく際に、相談者の財布を見て、お金が貯まらない理由を改めて理解することも少なくありません。財布には、持ち主がお金に対してどのような意識をもっているかが表れます。


たとえば、お金が貯まらない人は、買い物をしてレジでおつりを受け取ったとき、レシートとお札をそのまま財布に入れてしまいがちです。レシートをくしゃくしゃにして小銭入れに入れてしまう人もいます。


反対にお金持ちの財布は、きれいに整理されお札が種類順に並んでいます。向きも同じです。きちんと整理された財布なら、いまいくら入っているか把握しやすいので、「知らない間にお金がなくなっていた!」ということも起こりません。


お金の貯まらない人の財布には、クレジットカードやポイントカードがあふれています。カード用の仕切りはいっぱいでお札のスペースにまで入り込んでいることもあります。ポイントカードは「いつか使うだろう」と持ち歩いているのですが、数が多いので会計のときに見つけられずに「もういいです」となってしまうことが多いのです。


クレジットカードは2枚まで、ポイントカードは3枚までなど、財布に入れる枚数のルールを決めておくと管理しやすくなります。レシートは毎日財布から出したいものです。それが無理なら1週間に一度は出して整理しましょう。それ以上貯めてしまうと、家計簿をつけるのも面倒になってしまいます。

年収が高い人ほどトイレ掃除を重視している

ここで興味深いデータを紹介します。メディプラス研究所・オフラボが全国の女性7万人を対象とした「ココロの体力測定」(2018年)からトイレの使い方意識とストレスの関連を調べたものです。


それによると、世帯年収800万円以上で低ストレスの女性ほど、トイレ掃除を重視していることがわかったのです。この調査では、厚生労働省のストレスチェックの基準と年収によって「世帯年収800万円以上×低ストレス」「世帯年収800万円以上×高ストレス」「世帯年収800万円未満」の3つのグループに分けて、トイレの使い方意識をまとめています。


「用を足すたびに少し掃除をする」「トイレ掃除は毎日行う」人の割合が最も多かったのは「世帯年収800万円以上×低ストレス」のグループだったのです。「世帯年収800万円以上×高ストレス」のグループも「世帯年収800万円未満」に比べると、掃除の意識が高いようです。この結果からも、「掃除」と「稼ぐ力」には何らかの関係がありそうです。


こまめに掃除や整理整頓をすることも、資産1億円に一歩近づく方法といえるでしょう。




富裕層は「スマホ」と「コーヒー」に目もくれない

そもそもコンビニへ行かない

目の前の「ごちそう」に手を出さない自制心の強い人は、財布の紐もかたい。コツコツ貯めた種銭が将来何百倍にもなることを知っているのだ――。

欲望の対象に「視線を向けないこと」

前回(http://president.jp/articles/-/17376)は、「マシュマロ実験」のお話をしました。概要は……。

4歳の園児に「目の前のマシュマロ1個をすぐもらう」か、「20分間待って2個もらう」かを選ばせる、というのが実験の内容。結果はどうだったかと言えば、我慢できず1個だけもらった子が3分の2、残りの3分の1が我慢して2個もらった。実験したスタンフォード大学の教授は、園児たちのその後を追跡。欲求に打ち勝った自制心の強いグループは、欲求に負けたグループより、大学進学適正試験の点数が高く、中年時の肥満指数が低く、ストレスにうまく対処する、といった共通点があったという。


自制心、つまり「欲を制する」ことは、人生の成功に極めて大きな影響を与えるということです。とりわけ富裕層になりたい、と心のどこかで思っている読者の皆さんにとって、この自制心を働かせて種銭を貯めることは重要なミッションとなります。


安田財閥の創業者で、大正時代に国家予算の8分の1の巨富を築いた安田善次郎は著書の中で同じ趣旨のことを述べています。

「勤倹とは、単に金銭のために言うのではない。結局は自己の欲を制するということに帰するのである。人には情欲というものがあって、これが自己を捕らえようとする。それを制して身を慎み、行いを正しくし、独立独行し、人としての勤めをまっとうしてこそ、人間甲斐があるというべきだ」(『大富豪になる方法』安田善次郎)


というわけで、今回はマシュマロ実験から分かった、自制心を働かせやすくする戦略についてお話します。


マシュマロ実験を受けた4歳児のうち、3分の1はマシュマロにむしゃぶりつかないで20分間耐え切るわけですが、この4歳児たちには彼らなりの戦略がありました。


4歳児が考えた自制のための最大の戦略。それは、「マシュマロを見ない」「マシュマロを遠ざける」というものです。


誘惑に負けたグループの子は、そうした対策を取らず、実験開始直後からマシュマロを凝視したり、触って感触を堪能したり、匂いをかいだりしました。そうした子はほどなく「陥落」し、目の前の1個にむしゃぶりつきました。

一方で、マシュマロを2個もらえたグループの子は、マシュマロから視線を離したり、テーブルの端っこにわざと押しやったりしました。誰に教わったわけでもないのに、欲望の対象に視線を向けないことが自制心を保つのに役立つと理解 していました。


自制する方法として、そんなこと(見ない、遠ざける)は当たり前の行為だとお考えの読者もいるかもしれません。


しかし、われわれが生活しているのは「実験室」ではありません。実験室には、マシュマロしか置いてありませんが、実際の社会生活にはもっと多くの思考を占領する雑多な情報が あちらこちらにあります。そのような環境の中で、自制することは思いのほか難しいはずです。

そもそも富裕層はコンビニへ行かない

常々、僕が考えている、お金が貯まらない人の特徴は次のようなものです。


(1)毎朝、通勤途中にコーヒーショップでコーヒーをテイクアウトする

(2)スマートフォンを所有し、毎日使っている

(3)会社帰りに、用事がないのにコンビニに毎日立ち寄る


額の大きな出費は、当然、本人も自覚しているので、買う買わないの対処は比較的しやすいですが、(1)~(3)の目に見えにくい小さな浪費は自覚症状も少なく、これが貯金できない原因のひとつかと思います。


そこで4歳児の偉大な戦略をどうかお役立ていただきたい。


彼らの自制心の持続に有効だったのが「イフ・ゼンプラン」を準備する方法です。イフは「もし~したら」、ゼンは「そのときは~」。ゼンの「そのときは~」の「~」に入る内容は、「誘惑に抵抗する望ましい反応(対処)」にします。


想定された誘惑が実際にあった際に、何も考えなくても自動的に自分が行動できる準備をしておくのです。(このプランはマシュマロ実験の結果を踏まえ、スタンフォード大学のウォルター・ミシェル達が考案)


言葉だと少しややこしいので、実際にやってみましょう。


(イフ)「もし、朝、○○コーヒーの看板の近くを通りかかったら」

(ゼン)「横断歩道を渡って道の反対側の歩道を歩こう」


こうやって「マシュマロを遠ざける」ことが衝動のコントロールを楽にします。


人間の衝動的な欲求を動かす「ホットシステム」は誘惑が現れると即座にゴーサインを出します。一方、衝動を抑制しようとする「クールシステム」の働きはホットシステムによって弱められます。そのため、ホットシステムが働くと同時に、誘惑に抵抗するためのプランが働くようにあらかじめホットシステム内に組み込んでおく。そんなイフ・ゼンプランを準備しておくといいのではないでしょうか。


前述の(2)もチリツモの浪費の典型です。スマートフォンの基本料金は高いですし、ネットショップでの買い物もできます。簡単にアプリ内課金できてしまうリスクもありますし、ソーシャルゲームで時間浪費をするリスクもあります。


そのような「マシュマロを見ない」ために、スマートフォンを持たないのも選択肢のひとつです。ちなみに、僕はほとんど家から出ないで仕事をしていることもあり、PHSを使っています。ソーシャルゲームは1度もやったことがありません。また、衝動買いしないようにクレジットカードも財布の中に入れていません。そもそもマシュマロを見ることができないようにしてあります。

疲れと雑念が、人を浪費に走らせる

(3)のコンビニもかなり手強いです。コンビニに連日のように立ち寄る習慣がついてしまっていると、何も買う予定がなくても、帰宅の途でつい誘蛾灯に集まる虫のように、ついふらふらっと夜のコンビ二に吸い寄せられがちです。そして、気づけば財布を開いている。


一度店内に足を踏み入れると缶ビールを買う、ツマミの惣菜を買う、プレミアムスイーツを買う、最後にレジでタバコを買うなど、本当は欲していないモノやなくてもよかったモノを「ついで買い」させる仕掛けが店内の随所に見られます。それにまんまと乗って「上得意」になってしまってはいませんか。


ちなみに、僕は自制心を働かせる力が弱く「誘惑に負ける自信があります」ので、最後にコンビニに立ち寄ったのがいつなのか覚えてないくらい行っていません。


日常生活は、実験室の無機質な「何も無い」環境とは全く条件が異なります。

帰宅途中、頭の中には様ざまな雑念がよぎっています。


「あした課長から頼まれた資料を作らなきゃ」

「今週中に出張の旅費の精算をしないと」

「お! 飲み会の誘いのメールだ。何を着ていこうかな?」

「そういえば、宅急便の不在通知が置いてあったな」

「腹減ったな~」など。


さまざまな雑念が頭を占領しているなかで、仕事帰りの夜道でいつものコンビニの店内照明が煌々と灯っている前を通ったら、果たして「マシュマロを見ない」、「マシュマロを遠ざける」ことを実行できるでしょうか。


帰宅途上のビジネスパーソンは、通勤ラッシュなどで体も頭の思考能力も疲れていてスキだらけ。イチコロで、誘惑に負けそうです。

しかし、通勤経路は分かっていますから、周到なイフ・ゼンプランを作ることは十分に可能ですし、あるプランが上手く機能しなければ代替のプランはいくらでも考えられそうです。そうすれば「雑念がいっぱい」の脳であっても自制心が働きやすくなります。


自制心が働きやすいようにするために、街にあふれる自分にとってのマシュマロを「見ない」「遠ざける」イフ・ゼンプランが、冗費の節約と種銭の貯蓄、ひいては富裕層への道へとつながっています。

「人生は楽しむべき」は浪費の言い訳?

自分の財布が「給与収入のみ」の人にとって、今の1万円は低金利の時代ですから10年後もほとんど増えてなくて1万円のままかもしれません。しかし、以前お話したその他3つの財布がある人(参照記事:年収3000万でも“下っ端”! 本物のお金持ちは「財布が4つ」http://president.jp/articles/-/16155)にとっては、今の1万円は将来の100万円をつかっているのと同義かもしれません。

(参照記事:年収3000万でも“下っ端”! 本物のお金持ちは「財布が4つ」http://president.jp/articles/-/16155

「これっぽちの小さい金額を貯金したってしょうがない」と思ってしまう人はおそらくお金を増やせません。このタイプの人は、「若いときにお金をつかって人生を楽しまなければ意味がない」といった考えを抱いています。いわばキリギリス派の人は、今の1万円が将来も1万円だという考えに結びつきやすいです。これは、生涯で稼ぐ総額が一定だという考えともいえます。そうであれば、先に使うか後に使うかの違いだけであって、ならば若い頃に使おうという考えに傾きがちです。

今の1万円をつかうことが、実は将来の事業収入や不動産収入、配当収入の100万円を食いつぶしているのと同義だと理解する人は、生涯で稼ぐ総額が一定だとは考えません。


自制心を働かせ、報酬を先送りにすることがとてつもなく大きなリターンを生むこと、今つかわなければ、将来使い切れないほどのお金が入ってくることを知っているからです。


勤倹節約し、贅沢を慎み、貯蓄することが、生涯を通して加速度的に資産を膨張させることを理解する必要があります。


次回は、マシュマロ実験に耐えた4歳児が自制心を保った対策(戦略)その2についてご紹介します。


*筆者・金森重樹氏にお金に関する悩み相談をしたい方は、下記URLのフォームにご記入ください。

*受け付けた質問の一部に関して、金森氏が記事内で回答する場合があります。なお、金森氏より質問者に連絡することは一切ございませんし、営業目的に利用することもございません(記入フォームにアドレスなど連絡先の書き込み欄はありません)。

https://docs.google.com/forms/d/1QL5Ik3u31anl6QRjpkUdgZw7NqKS4EpmVd3cIUVz82s/viewform

「みっともなく生きる」これが富裕層への近道だ





新NISAに惑わされるな…「一般人は、まず借金を返済したほうがいい」と経済ジャーナリストが説く訳

2023年12月22日


世界情勢や政治が不透明で不安定な今…自ら「情報収集」や「判断」はできるのか?

これまでの運用資産への非課税優遇をさらに拡大する制度「新NISA」が2024年から始まる。


長く続いたデフレ経済では、資産を運用せず預金にするだけでもよかったが、物価が上昇するインフレ時代を迎えて、預金は資産価値が目減りしていく。そんな状況で、新NISAの活用に乗り遅れるな、といわんばかりに、一般人に投資を促す話があちこちで大流行だ。


プロの投資家であれば、経済や投資環境に関係なく、常にどんな投資をすればいいのかを考えるのだろう。一方、経済や投資知識の乏しい一般人がいま、投資するのにふさわしいタイミングなのだろうか。


何十年という期間で運用するなら、状況を少し冷静に見極めるタイミングがあってもいい。一般人にとって、いまはそういうタイミングなのかもしれない。


「長期投資なら大丈夫と言われても、相場は必ず右肩上がりになるわけではありません」 

「日本の株価は’24年前半にかけて下落し、後半に持ち直す可能性があります」

こう話すのは、みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介・主席エコノミスト。投資環境については当面、慎重に見極めてもいいかもしれないという見方が、専門家からも出ている。


これまで貯蓄中心だった一般人が、資金を投資に振り向けることについて、経済ジャーナリストの荻原博子さんは、こんな見方をしている。


「投資は安定した環境で、正常な金融市場でするものです。いまは、どれをとっても不安定です。新NISAを利用した長期投資なら大丈夫と言われても、相場は必ず右肩上がりになるわけではありません」(荻原博子さん・以下同)


株式市場については「非常にゆがんでいます」と、荻原さんは指摘する。


日本の株式市場で大口の投資家といえば、金融政策の手法としてETF(指数連動型上場投資信託受益権)で株を大量に買い入れている日本銀行のほか、年金基金(年金積立金管理運用独立行政法人)、そして外人投資家だ。これら投資家の存在感が大きく、株式市場で個人投資家の影が薄い。


「そこに一般人が新NISAで呼び込まれることになります。特に、外人投資家などプロは逃げ足も速く、勝ち逃げされて、一般人が取り残されることになると罪深い」

「投資は安定した環境で、正常な金融市場でするものです」と言う荻原さん。現在の日本の株式市場については「非常にゆがんでいます」と指摘する(PHOTO::共同通信)

© FRIDAYデジタル



荻原さんは、いまの世界情勢や政治が不透明で不安定になっていて、「投資する状況なのか」と疑問を持っている。


たとえば、ウクライナ戦争は泥沼の状態になっている。イスラエルとパレスチナの対立を受けて、スエズ運河に通じる紅海で、アラビア半島南部のイエメンの反政府組織「フーシ派」がイスラエル寄りとみている商船を攻撃するなどで、国際物流への影響が懸念されている。日本の政治に目を向けると、政権の支持率が低下しており、先行きの不透明感が強まっている。


一般人は投資をするよりも、借金を抱えている人が多く、荻原さんは「まず借金を返済したほうがいい」と話す。特に、住宅や教育などのローンを抱えている働き盛りの世代を意識している。


米国経済が減速、日本の実質賃金はマイナス…’24年は投資判断が難しい1年に

国内外の経済は’24年に向けて、どうなるのだろうか。エコノミストの酒井さんは、世界経済をけん引するのは米国と中国で、中国は不動産バブル崩壊で経済の調整が長引くという。もう一方の米国について、酒井さんは次のようにみている。 


「’24年前半は米国経済が減速していき、株価にはネガティブとなりますが、その後は政策金利の利下げが視野に入り、株価にポジティブとなるかもしれません」(酒井才介さん・以下同)


米国では消費が減速し、インフレ率も鈍化してきているという。人手不足は女性や移民が労働市場に入ってきていることで、供給面の制約が解消に向かっているとも。


日本の経済はどうなるのか。政府が強く期待する企業の賃上げは、’24年の春闘で前年以上の引き上げとなる可能性もあるという。


酒井さんは、人手不足の深刻化や、輸出産業を中心とした企業収益の好調、賃上げせざるを得ないような雰囲気が社会的にあると指摘する。日銀は春闘の賃上げ状況を確認したタイミングで、金融機関が日銀に預ける一部の預金への「マイナス金利」を解除する可能性があるとみている。

日銀は12月19日の金融政策決定会合で、金利を極めて低い水準に抑える現行の大規模な金融緩和策の維持を全員一致で決めた。低金利で経済を下支えし、’24年春闘での賃上げを後押しする(PHOTO:共同通信)


一方、日本の国内総生産(GDP)は7~9月期で、個人消費の不振からマイナスとなっている。


酒井さんは「実体経済が弱い」と話す。物価上昇分を差し引いた実質賃金はマイナスが続いており、実質賃金がプラスに転じるのは’24年後半になると予想する。


酒井さんはこうした見方に基づき、日本の株式市場について、’24年前半にかけて下落、後半にかけて持ち直す展開を予想している。


いまのタイミングで、一般人が投資を始めることについて、酒井さんはこんな見方をしている。


「日本人は一般的に、金融のリテラシー(知識・判断能力)が十分なのでしょうか。米国と違い、金融のリテラシーが低いのではないでしょうか。


新NISAは投資をするきっかけになりますが、自ら情報にアクセスして、経済環境や金融政策、為替変動のリスクなどをしっかり判断していく必要があります」


荻原さんも「国が投資教育を十分にしてこなかった」と話し、これまで貯金を奨励するばかりだったと指摘する。


資金に余裕のある人が投資をするのは、悪いことではない。投資は自己責任であり、おいしい話がころがってくるわけでない。知識や判断能力も必要で、投資するタイミングも大切になる。新NISAの開始ばかりに目を奪われず、投資するならば、勉強しながら情報を収集し、タイミングを判断していきたい。


荻原 博子 経済ジャーナリスト。1954年、長野県生まれ。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。以降、経済ジャーナリストとして活動。家計経済のパイオニアとして、経済の仕組みを生活に根ざして平易に解説する第一人者として活躍。


取材・文:浅井秀樹



50歳を過ぎて保険料を払うのはお金のムダ…投資のプロが「死亡保険も医療保険も不要」と断言するワケ

2023年12月26日

家計の見直しはどこから始めるべきか。SBIグローバルアセットマネジメント社長の朝倉智也さんは「50代になれば、多くの人にとって生命保険や医療保険は不要だ。浮いたお金は投資に回したほうがいい」という――。(第1回)

※本稿は、朝倉智也『私が50歳なら、こう増やす!』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。


「マンション投資」で儲かった人を見たことがない

「マンション投資」についても、ここで取り上げておきましょう。広告がたくさん出ているのを見たり、あるいは営業を受ける機会があったりして、「不動産投資なら自分にもできるかもしれない」と考えたことはないでしょうか?

不動産を所有して賃料を得るというのは、形のある物を自分の名義にできる安心感や「だまっていても定期的にお金が入る楽なやり方」といったイメージがあるのかもしれません。


それこそ、「賃料収入があれば、老後に年金の足しにできるのではないか」と考える人もいそうです。そこで「元手がなくても頭金ゼロで銀行がお金を貸してくれる」と聞けば、「試しにやってみよう」と本気になる人もいるでしょう。


しかし、これだけ頻繁に広告を目にするにもかかわらず、私の身近にはマンション投資経験者がいません。金融商品に詳しい私の周辺の人たちの中に「マンション投資で儲かった」という人がいないのは、それなりに理由があると考えています。


マンション投資でよく聞くのは、「頭金ゼロでも銀行からお金が借りられます」「借りたお金でマンションを買えば、賃借人探しや物件の管理はすべて業者がやります」「毎月15万円の賃料収入が得られます。毎月10万円ずつローンを返済すれば、残りが収入になります」といったセールストークです。


決して片手間でできるものではない

これを真に受けると、「そんなおいしい話があるのか」と感じるのも無理はないかもしれません。


しかし、このようなセールストークに乗せられてマンション投資を始めれば、高い確率で痛い目を見ることになるでしょう。マンションの維持にかかる固定資産税や修繕積立金などが見積もられていなかったり、マンションに不具合が出れば、そのたびに修理費用がかかったりするというのはよくある話です。


また、これから10年、20年と賃貸していく間、ずっと借り手がいて、家賃収入が入り続けると考えるのは甘いかもしれません。日本では2011年以降、一貫して人口減少が続いている一方、マンションの大量供給が続いており、各地では空き家問題も噴出しています。借り手がつかなくなれば、ローンの返済だけが重くのしかかることになりかねません。


もちろん不動産投資も、よい物件を見抜く力や不動産管理の知識などを持ち、人任せにせずに真剣に取り組めば、リターンを上げることは可能かもしれません。しかし「片手間にできそう」といったイメージで安易に手を出すのは、まったくおすすめできません。


私自身は、マンション投資に手を出すつもりはありません。


保険に入る意味

「私が選ばない金融商品」として最後に取り上げておきたいのは「生命保険」です。みなさんはどんな保険に加入し、どれくらい保険料を払っているでしょうか?


図表1は、生命保険文化センターが調査した、1世帯が年間で払い込む保険料を表にまとめたものです。


2021年のデータでは、50代だと年間およそ43万円もの保険料を払っていることがわかります。1カ月に均(なら)すと、約3万5000円です。もちろん、保険の中には必要なものもあります。


保険というのは「万が一」への備えとして加入するものです。もう少し具体的にいうと、「万が一のことが起きてしまったとき、保険金を受け取れないと困難な状況に陥る」場合に力を発揮するのが保険です。


損害保険の場合は、たとえば自動車事故で人命を奪ってしまったり人に怪我を負わせてしまった場合や、物を破損してしまった場合などに多額の補償が必要になれば、とても自分の金融資産でまかなえないというケースが多いでしょう。だからこそ、自動車保険は必ず加入すべきだといわれるわけです。


火災保険も、自分の生活の基盤である住居が火災などに見舞われれば、生活の再建が容易でないことは想像がつきやすいと思います。これも加入しておくべき保険といっていいと思います。


50代の生命保険の必要性

では生命保険の場合、「保険金がないと困難な状況に陥る」のはどんなケースでしょうか?


まだ子どもが小さい家庭の場合、家族の生活を支える働き手が亡くなれば、生活に困ることが考えられます。このような場合、働き手が亡くなったときに何千万円かの保険金を受け取れるような死亡保険に加入しておくのは、合理的です。これは必要な保険だと考えていいでしょう。


しかしこのように考えると、50代の人は生命保険の必要性が低いことがわかります。一般に、必要な死亡保障額が最も大きくなるのは「子どもが生まれた瞬間」です。子どもが育っていけば、万が一自分が亡くなったとしても、その後に必要な「まとまったお金」は徐々に減っていくからです。


50代ともなれば、子どもの学費のめども立っているケースが多いでしょうから、もう死亡保障が要らない人もたくさんいるのではないでしょうか。加入しておくとしても、何千万円もの保険金を受け取る契約である必要はありませんから、「いま万が一のことがあったとして、いくら必要か」を冷静に考えて保険を見直すことをおすすめします。


生命保険商品で、加入している人が多いのが医療保険です。しかし50代である程度の貯蓄を持っている人であれば、医療保険は不要なケースが多いでしょう。


死亡保険にも医療保険にも加入していない

医療保険の主な保障は、入院したときの給付金です。「入院すれば1日6000円」といった保障があると何となく安心できる気がするかもしれませんが、仮に1カ月入院したとして、受け取れるのは18万円にすぎません。


ちなみに厚生労働省の2020年の患者調査によれば、病院の平均在院日数は約33日です。さらにいえば、近年は入院日数が短期化する傾向が続いていますし、この平均在院日数には高齢者の方も含まれていますから、いま50代の方が30日も入院するケースは少ないと考えられます。このくらいの金額なら、いまある貯蓄で十分に賄えるという人は多いはずです。


改めて考えてみて、「保険金を受け取れないと困難な状況に陥る」わけではないなら、毎月、高い保険料を支払い続けるべきではありません。ちなみに、私自身は死亡保険にも医療保険にも加入していません。必要がないからです。


外貨建て保険は絶対に選ばない

もっと必要性が低いのは、貯蓄性のある保険や「運用もできる」という保険です。「お金が貯まります」という保険は、途中で解約すると元本割れするもの、満期まで保有しても運用利回りが低く、魅力が薄いものばかりです。


「運用できる」という保険には外貨建て保険などがありますが、これも加入して10年以上にもわたって「解約すれば、元本割れ」という状況が続くのが一般的です。


なぜこのようなことになるのかというと、加入時に負担する手数料が高く、実際に運用に回る分が少なくなってしまうからです。「それでもプロが運用してくれるなら……」と思うかもしれませんが、残念ながら、外貨建て保険で魅力的な運用を行っている商品はありません。高い手数料を払ってまで、わざわざ運用してもらう意味がまったくないので、私は外貨建て保険は絶対に選びません。


これはよくいわれることですが、そもそも「貯蓄・運用」と「保険」は分けて考えるべきなのです。


保険とは、保険料というコストを支払って「万が一」に備えるためのものです。「万が一」に備える必要がある場面でのみ、コストを抑えて加入し、不要になったらやめるのが最も合理的です。


おそらく、このような考えに基づいて保険を見直せば、50代の方が1カ月に3万5000円も生命保険料にあてる必要はないはずです。ぜひ保険を見直し、浮いた保険料は、この後ご紹介する方法で運用に回しましょう。


「貯蓄から投資へ」「貯蓄から資産形成へ」といった掛け声を聞くようになって久しいですが、私は、保険好きといわれる日本人は「保険から投資へ」「保険から資産形成へ」の流れも加速させるべきだと思っています。


---------- 朝倉 智也(あさくら・ともや) SBIグローバルアセットマネジメント社長 1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号(MBA)取得。同年、ソフトバンク株式会社入社。財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立および上場準備を担当。1998年モーニングスター(現 SBIグローバルアセットマネジメント)設立に参画し、以来、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。SBIホールディングスの取締役副社長を兼務し、SBIグループ全体の資産運用事業を管理・運営する。 ----------